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EVENT | 動きを、止めるな 「とよたまちなか芸術祭-Re: HYBRID BUNKASAI-」開催
とよたまちなか芸術祭-Re: HYBRID BUNKASAI-

2021年2月28日(日)から、「とよたまちなか芸術祭」が始まります。
これは、市民がアートイベントを作り上げるプロジェクト(とよた市民アートプロジェクト)の一環で、2018年から豊田市の使われなくなった学校の敷地を使って開催されていた「HYBRID BUNKASAI」が新型コロナウイルスの感染拡大により中止になったことをきっかけに、誕生しました。
「動きを、止めるな」というテーマは、困難な状況にあっても動き続けたいという想いを率直に表現しています。
出展者は、過去にHYBRID BUNKASAIなどのアートイベントに関わったメンバーから募集し、32組が集まりました。
今回はその中で、パフォーマンス部門で参加するGENE_SISさん、アーティストの安藤麻里亜さん、ゲストアーティストの中崎透さんに芸術祭開幕にあたっての意気込みをインタビューしました。
 
 

GENE_SIS

Q 今回の芸術祭参加のきっかけを教えてください。
きっかけは、新しい流れが生まれてくる、と感じたからです。とよた市民アートプロジェクトの活動は知っていました。私はよそ者です。でもちいさな頃から、豊田市にはよく来ていました。とくに、豊田市民芸館と、鮎の養殖場。
 
Q 出展作品について教えてください。
今回パフォーマンスとして、農村舞台で演奏します。「東洋の雅楽」と「西洋のピアノ」をフュージョン。
これが初参加になります。豊田市には、多くの舞台があります。それらは、昔、祈りの奉納、また村人の娯楽として様々な表現が発信されてきた場所。永くともに過ごしてきた物たちは、何か他のものとは違う、「人格」のようなものが宿ると、思っています。それは農村舞台にも。祈り、喜びがあふれていた場所は現在、静かに佇み、待っています。
何も構えず、目には見えないその何かを、感じ、音にする。1音1音を即興で、その日だけの音楽を生み出していきます。
 
Q 今後の展望としてはどのような事を考えていますか?
今までの価値観が180度変わっていく、現代の中。他にもまだいろんな余白があって、すきな色に自分たちで変えられる。また新しく捉えなおしていく。そんなことが徐々に、滲み出るように生まれてくることを望んでいます。
 
 
安藤麻里亜

Q 今回の芸術祭参加のきっかけを教えてください。
この1年、人とのつながりや表現の場がとても貴重になってしまったと感じることが多くありました。今回の話があったとき、どんな状況でも表現する場を諦めたくないという思いがあり参加させていただきました。
 
Q 出展作品について教えてください。
絵画作品の展示を行います。
薄い和紙の向こうに見えるのは幼少期の写真や過去のスケッチから描いたものです。他人を理解するのが難しいように、自分の中にも変わってしまったり思い出せなかったりして今では捉えられられないところがあります。その距離はぴたりと寄り添えない寂しさであり、1人きりにしてくれる優しさでもあると考えて制作しています。
今回は保育園の頃から友達の成田帆花さんと、記憶をテーマにした合作にも挑戦しています。
 
小原和紙のワークショップの様子

Q 今後の展望としてはどのような事を考えていますか?
自身の制作のほかに、小原和紙のワークショップを行っています。小原和紙には漉きやすくする工夫がたくさんあり、初めてでも楽しくつくることができます。それを活かして色々な人と色々な形で小原和紙を楽しむイベントを考えています。
昨年はとよたまちさとミライ塾+に参加し、とよしばの芝生の上でこどもたちと絵漉きをしてみました。小原和紙についてもっと学び、その面白さや一緒につくる楽しさを伝えていくことが今後の目標です。
 
 
中崎透

Q 今回の芸術祭参加のきっかけを教えてください。
2017年度からの3年間、Nadegata Instant Partyのメンバーとして、とよた市民アートプロジェクトのディレクターを務めていた縁もあり、改めて作家として声をかけてもらいました。
 
Q 出展作品について教えてください。
今回の作品は旧作(一部再制作)を組み合わせて、ここの会場(豊田市美術館七州城隅櫓)のためにアレンジした展示になっています。正直なところ、少々展示するのが難しい建物で(釘が打てないなど物理的な意味で)、かなり頭を悩ませての作品構成になってたりします。
展示の中心になっているのは《rainbow》という、虹色の7本のミシン糸を使った作品で、最初に制作したのは震災直後の2011年の5月でした。震災後、各地の友人たちと対話する中で、それぞれの置かれた状況もありつつ、どうしようもない分かり合えなさ、のようなものを切実に実感しました。でもそれはそんなに悪い意味ではなく、どんなに近しい人であっても完全にわかり合うことの不可能性であり、分かり合えないままでも寄り添い共にあることはできるだろうなあというイメージから虹を連想しました。その時の個展は『パラレル』というタイトルで、交わらない平行線のようでありながら、どこまでも隣にいる、といったようなイメージの転換を考えていて、現在の状況の中でも地続きのテーマでもあるなと思ってたりします。
 
 
とよたまちなか芸術祭
 出展者情報・協力店舗情報はこちら(随時更新中)
 PR動画はこちら
 配信コンテンツはこちら(3月20日のみ視聴可)

とよたまちなか芸術祭-Re: HYBRID BUNKASAI-

日時:2021年2月28日(日)-3月20日(土)
場所:豊田市駅周辺まちなか協力店舗、七州城隅櫓(豊田市美術館)
 
企画:『とよたまちなか芸術祭~Re:HYBRID BUNKASAI〜』実行委員会
主催:とよた市民アートプロジェクト推進協議会

 
取材:森かん奈(もりかんな)
TAP magazine編集部。豊田市出身。
博物館や古美術商など様々な視点からアートを見てきました。博物館とおでんは似ているような気がします。いろんな人やモノが一緒に存在している空間って面白い、その面白さを伝えるにはどうしたら良いか。日々ゆるゆると考えています。おでんの出汁の様な存在になりたいです。

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