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COLUMN|あるTAPライターの独り言
取材:のん(TAP magazine 編集部)

私「のん」とアートとの距離感は決して身近とは言い難く、だからと言って「なーんにも知らない」というほどでもない。実は子どもの頃は絵を描くことが好きで、そういった進路に進みたいと思ったこともありました。
そして(だいぶ)大人になって出会った、豊田の芸術と文化を紹介する『TAP magazine』。これは「面白そうじゃない?乗っかってみよう!」と、参加するようになりました。

今回『TAP magazine』での活動終了を受けて、TAPライターでの経験で感じたことをここに残したいと思います。

 

きっかけは『TAP magazine』主催の「ライター講座」

豊田市駅から南に向かう高架下の『西町緑陰歩道』を歩いていたときでした。美術館、博物館、参合館などで行われるイベント情報が掲載されている「緑陰ギャラリー」に「ライター講座」のポスターを見つけました。

参加費無料、日程に無理がないという理由から「よし!参加!」と、すぐに申し込みました。実は、この時『TAP magazine』という存在すら知りませんでした。

私は名古屋グランパスのファンで、豊田スタジアムへサッカーを観に来る人たちにもっと豊田市のいいところを紹介できないかと考えていました。そしてたまたま見つけたこの講座が何か役に立つのではないかと思ったのでした。

講座では取材の仕方、記事の書き方などを座学で学び、実際に「豊田市で気になること」
をテーマに記事を書いて、講師に添削してもらいました。
講師である谷亜由子さんのお話がとても面白く、講座自体も和気あいあいとして楽しく受講できました。

講座を修了した後に『TAP magazine』の事務局の方からTAPライターへのお誘いを受けて、ここでもまた「何か面白いことができれば」と思い、その場で参加を決めました。

 

TAPライターのお仕事1 ミーティング参加

まずは月に2回行われるTAPミーティングにZooMで参加しました。『TAP magazine』事務局の方2人と先輩TAPライター5人くらいで、近く豊田市で行われるアートイベントや『TAP magazine』に掲載するアーティストのインタビューの準備などを。
ミーティングは形式ばったものではなく雑談の延長のような感じで、和やかな雰囲気で進められました。

ただ最初の頃のミーティングでは先輩方の話がチンプンカンプンでした。出てくる固有名詞もアートの内容もイベントもわからず、ただただ「ふんふん」と、聞いているのみでした。
それでも文化芸術に関する人やイベントが数多く豊田市にはあることをこのミーティングで知りました。

 

TAPライターのお仕事2 神社を巡ろう

『TAP magazine』に参加したものの、私にはあまりに武器がありません。ただミーティングに出て、人の話を聞いているのみ。せっかくライター講座で受けた知識も活かすことができないぞと、そこで思いついたのが「神社を巡るシリーズ」でした。

神社という存在は誰でもなじみがあるし、豊田市内にある神社をあちこち回ることができるし、まちの歴史を深掘りすることもできる。また鳥居や狛犬など神社特有の造形物もあり、アート的要素もあるのではと思ったものでした。

しかし思いつき企画のため神社に対する知識も不足しています。このころは図書館で神社や狛犬に関する本を読み漁り、ウェブサイトで地域の歴史などをいろいろ調べました。

神社に関する記事は自分で取材をし、写真を撮り、何について書くかは自分で判断して作成しました。文字数や締め切りも縛りがなかったので、かなり自由に書かせてもらいました。

何本か記事を掲載していくと、TAPライター仲間や記事を読んでくれた知り合いからもおすすめの神社を紹介してもらうようになったので、とても楽しかったです。

 

TAPライターのお仕事3 インタビュー記事を作る

とは言いつつもTAPライターのお仕事のメインとして豊田市で活躍するアーティストへのインタビューと『TAP magazine』のウェブサイトへ載せる記事を作るというものがあります。

数本ではありますが、私もインタビューを担当させていただきました。もちろん突然インタビューするわけではなく事前に日程調整など準備期間があるので、その間にアーティストの作品集やSNSを見るなど私なりの準備をしました。
とはいえご本人を前にすると準備したはずのいろんなものが吹っ飛びます(笑)。お話を聞いたり、作品を見せていただくとアーティストのパワーに圧倒されるからです。そして自分が仕入れてきた知識が薄っぺらに感じてしまいます。

事務局の方や先輩TAPライターの方に助けてもらい、メモを取りながらインタビューをします。すべてをメモすることはできないので、そのときに重要と思われるキーワードをメモしました。
こういったときには別にカメラマンがみえるので自分で写真を撮ることはしませんでしたが、今思うと写真は記事作成資料として撮っておけばよかったと思っています。

インタビューが終わると大雑把に伝えたいことを決めます。メモとインタビュー内容から時系列、固有名詞、数字などを整理します。特にここは間違わないようにウェブサイトやSNSなど使えるものは何でも使って整合性を取ります。意外とこの作業に苦労したと思います。
そしてメモと自分の記憶といただいた資料を基に記事を書いていきます。

インタビューの記事は「神社を巡るシリーズ」とは少し違います。
感じたことを自分の言葉で書けばいい自由さに対し、インタビュー記事はアーティストの思いが伝わるように、なるべくインタビューの雰囲気が伝わるように書く必要がありました。少し責任のようなものを感じながら書いていました。

 

最後にTAPライターを経験して

普段の生活で芸術作品やアート、演劇などを見ることはあっても、アーティストご本人に創作活動についてお話を伺うことはそうそうないと思います。振り返ってみると、『TAP magazine』では本当に特別な経験をさせてもらいました。

君は、違うフィールドの一線で活躍する人たちへインタビューをしたことはあるかい?
私はあるぞ!って言いたいです(笑)。

あと、いつか『TAP magazine』で名古屋グランパスについて書く野望があったのになぁ。

豊田市のあちこちに文化芸術が存在していることに『TAP magazine』での活動で気づかせてもらい、少しだけですがアートとお近づきになれたかな。
なんだかんだ楽しい活動だったなぁ。「ライター講座」のあと、あの時思い切って参加してよかったと思っています。

取材:のん(TAP magazine 編集部)

美術・芸術は詳しくないけど、人が作り上げた『何か』を見るのが好きです。よくまちをウロウロしています。名古屋グランパスと豊田スタジアムを愛するフツーの主婦。フットワークの軽さと重さを兼ね備える極端なタイプ。

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