REPORT/COLUMN
REPORT | 時間を捉える 安藤卓児個展「位相の逆転」
位相の逆転

豊田市小原地区。この時期の小原といえば四季桜。
紅葉と四季桜の風景の中にある「アート」なスペース「セバイシ(仮)」で開かれた、安藤卓児さんの個展「位相の逆転」に行ってきました。
 
秋の小原のひんやりした空気感の中に茅葺き屋根の建物が1軒。
こちらは安藤さんがご先祖から受けついだ茅葺小屋です。
セバイシとは、その安藤家が屋号として呼ばれていた名称で、今は便宜上、その名前で呼んでいます。
小屋の中には部屋が三つあり、それぞれ全く役割の異なる展示空間です。

一つ目の部屋「いま」

一つ目の部屋のタイトルは「いま」
ここでは安藤さんが現在進行形で制作している絵画作品が展示されています。
私が展示を見に行った段階では、下書きのような力強いタッチがありました。
所々にモチーフもはっきり描かれており、またカラフルな配色が目を惹きます。
完成した作品も是非拝見したいです。
部屋は畳仕様で、自然の空気や太陽の日差しを浴びながらまったりくつろぐことも出来そうです。
鑑賞者とのコミュニケーションスペースとしても活用されるような余白を感じる空間でした。
また、制作途中の作品という事で、展示中にも加筆されているようでした。
この日も自作の音楽を流し、筆を取られていました。。
鑑賞中にもライブパフォーマンスをする柔軟なスタイルで、たまたま訪れた方も次々引き込まれていきます。
もっとこういう即興的なことを積極的にやっていきたいと仰っていました。
 
二つ目の部屋のタイトルは「123(4)567」
部屋いっぱいに安藤さんの大型の絵画作品が展示されています。
絵画の大きさは一部屋目にある作品よりもかなり大きいです。
開け放たれた部屋の引き戸から見える「現代美術作品」と、
茅葺の建物とのギャップを感じられ大変面白い空間になっていると思いました。
 
三つ目の部屋のタイトルは「ウマヤド」
中に入ると、そこには何もありません。
昔の馬小屋である暗い空間は若干しっとりとしていて不気味ささえ感じます。
「時間を考える空間」としてあるという「ウマヤド」
安藤さんの作品から「現在」「過去」と時間の流れを振り返り、この空間のなかで吟味することが出来るよう。
「ウマヤド」の空気感は他の部屋とは違います。
それは、この部屋の造りからなのでしょうか。
それともたくさんの人がここで色んな時間を振り返って来たからなのでしょうか。
 
元々、この地で何かやりたいという思いを持って数年前から準備をされていたそうです。
鑑賞者を巻き込んで談話をしたり、音楽や自然と融合したライブな展示に早変わりしたり、そのスペースコンセプトや展示の構成はすごくオルタナティブな内容でした。
また、何より自然に囲まれた地を生かして、新しい挑戦をし続ける安藤さんの姿にとてもエネルギーを感じました。
安藤さんの生活サイクルの一部であるこの場所で、これからも展示をしていってほしいです。

位相の逆転

日 時:2020年11月7,8日(土日)14,15日(土日)21,22,23日(土日祝)12:00-17:00
場 所:セバイシ(仮)(豊田市小原田代町)

 
取 材:森かん奈(もりかんな)
TAP magazine編集部。豊田市出身。
博物館や古美術商など様々な視点からアートを見てきました。博物館とおでんは似ているような気がします。いろんな人やモノが一緒に存在している空間って面白い、その面白さを伝えるにはどうしたら良いか。日々ゆるゆると考えています。
おでんの出汁の様な存在になりたいです。

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