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COLUMN | 「私のアートの見方」 第1回・アートボランティアのアートの見方
植村優子(TAP magazine編集部)

「アート鑑賞って敷居が高そう」
「美術館ですれ違ったあの人はどんな風にアートを見ているのだろう」
「この前いった展覧会が面白かったから、また面白い展覧会があったら行ってみたいけど、どれがいいのかわからない」
アートに興味があるけれど、どうやって次の一歩を踏み出せばいいかわからない人に向け、様々な立場の人のアートの見方を紹介していきます。
今回から、TAP magazineの運営をしているTAPライターの「アートの見方」を紹介します。
 
 

第1回・アートボランティアのアートの見方

 
「美術館によく行きます」というと、高尚な趣味と思われることがありますが、野球観戦や映画鑑賞に行くのと変わらないと私は思っています。
同じように共感を得られず、さみしい思いをしているアートファンは多いはず…。
あいちトリエンナーレのボランティアをきっかけに現代アートの面白さに目覚め、全国の芸術祭や企画展を見に行くようになった私のアートの見方を紹介します。
これを参考にあなただけの楽しみ方を見つけてください。そしてぜひ仲間になりましょう!
 
①ガイドツアーに参加しよう
美術館や芸術祭で、学芸員やボランティアによるガイドツアーをやっていることがあります。
作品の解説をしてくれるものや、ガイドが主導で対話をしながら鑑賞していくスタイルなど様々です。
どちらにしても、一人でみて「わからない」で終わってしまう作品でも、他の人の感想を聞くことや、鑑賞の手助けとなる解説で、その作品の新たな一面を見つけることができるでしょう。
 
②仲間を作ろう
ボランティアグループに参加したり、アートに関するコミュニティに参加してみましょう。
同じアート好きでも、少しずつ好みも違うので、情報交換できます。
仲間を作るためにボランティアに参加しているところもあるなと私は最近気づきました。
 
③お気に入りの作家を見つけよう
国際芸術祭やグループ展など、アーティストの作品を一度にたくさん見ることができる展覧会に行きましょう。
絵画や彫刻、映像作品など、様々なジャンルの作品が一堂に会します。
その中で面白い作品があったら、作家の名前を覚えておきます。
別の機会にその名前を見つけたら、その展覧会へ行きましょう。そこで一緒に展示している別の作家がまた気になることもあるかもしれません。お気に入りの作家がそんな風に増えていきます。
 
④もし自分がこの中の作品を買うとしたら…?
ピカソやモネのような作品はなかなか買える人はいませんので、どんな値段かは置いておいて、自分の家に飾るならどれがいいか、と考えながら見ていると、当初と別の作品が気になることがあります。
洋服などでも買う目的で見ると真剣に品定めしますよね。実は手が届くお値段のもあるので、気に入ったら購入しちゃいましょう。
 
もちろん、美術史や作品の制作方法を理解するとさらに楽しめるでしょう。
私はアートの鑑賞を通して世界の反対側で起きていることを実感したり、他人の多様な考え方について知ったりして、世界が広がりました。
野球観戦や映画鑑賞に行くのと同じように気軽に美術館やアートイベントに行く人が増えるといいな…。

植村優子(TAP magazine編集部)

うえむら ゆうこ
あいちトリエンナーレのボランティア参加をきっかけに、現代アートの沼にはまりました。あいちだけでは飽き足らず、全国の芸術祭から、海外の芸術祭まで見に行くようになりました。全国の芸術祭サポーターと交流する「全国芸術祭サポーターズミーティング」に参加し、アート仲間をますます増やしています。

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