REPORT/COLUMN
REPORT | 動きを止めるな、まちなかアート。
とよたまちなか芸術祭-Re: HYBRID BUNKASAI-

市民がアートイベントを作り上げるプロジェクト(とよた市民アートプロジェクト)の一環として絶賛開催中のとよたまちなか芸術祭に行ってきました。
2019年、あいちトリエンナーレの会場として新しい可能性を垣間見せた、豊田のまちなか。あれから約1半年が経ちましたが、市街地の各エリアでは、新しいカフェスポットができたり、開発エリアがさらなる発展を見せていたり、様々な変化がありました。今回、新たな芸術祭の開催により街に散りばめられたアート作品と共に、2021年の豊田のまちなか覗いてみます。
 

梶千春

ゲストハウス「Kabo.」に展示されるのは成田帆花さん、TOMOHIRO•Tさん、梶千春さん、野村誠さん、野村幸弘さんの作品です。
絵画、工芸、映像作品など様々なジャンル作品が集う空間となっており、古民家建築の温かみのある雰囲気と癒合しながらも、ゲストハウスに新しい空間が生まれていた様に感じます。野村誠さんと野村幸弘さんの作品は先端的な音楽を追求した映像作品となっています。動物園の動物と対話する様にして生まれた表現は、人間の原始的な部分をを刺激する様に感じられます。
 
森本真由

竹生町にあるアパレルショップ、HUUKUでは安藤麻里亜さん、あまのしんたろうさん、森本真由さんの作品が展示されています。
店舗1階部分がオルタナティブなスペースとなっており、アクティビティのある作品などが自由に展開されていました。安藤麻里亜さんの作品は、幼少期のの写真やこれまでのスケッチをもとに、和紙を使用して制作しています。和紙のぼんやりとした質感がのノスタルジーな雰囲気を生んでいました。
あまのしんたろうさん『フォトボックス』はトイブロックで装飾されたテレビのなかに、自身のフォトムービーを展開した作品です。ポップなビジュアルのテレビに注目しがちですが、フォトムービーは写実的なものであり、外と内の世界観を対比させる様な作品です。
森本さんの作品は、まちなか芸術祭出展作品中でも、大胆なアクティビティを含む作品です。文字を写経して水に流す、という行為により鑑賞者の心理に問いかける作品となっていました。
 
とよしばのコンテナの室内にある映像作品は、山城大督さんの映像作品「Hallo Everything」です。
山城さんは、自身の作品テーマとして、映像メディアの時間概念を応用し、その場でしか体験できない〈時間〉を展開しています。高層ビルを添う様に、空の上へ上へと上がっていく風船。映像のモチーフである風船の〈時間〉、それを今鑑賞している私たちの〈時間〉。それらを少し重ねてみたり、ずらしてみたりすることで新しい発見がありそうです。
 
コモ・スクエアの一階にある豊田画廊に3月10~15日で展示されていたのは鎮西勇夫さん、川澄綾子さん、的場一憲さんの作品です。
画廊に作品が展示されているのは当たり前のことですが、洋画、工芸、陶芸作品と豊田画廊に異分野の作品が一挙に集うことは珍しく、見応えのある空間になっていました。
 
紫乃~murasakino~

ギャラリーカフェ楽風では、紫乃~murasakino~さん、田中あつこさん、田中房代さんの作品を展示しています。
カフェの奥にあるギャラリースペースを使用して作られた絵画作品の展示は、カフェに来る人々にとっての、時間を豊かにしてくれます。
 
つちやみさ

EAST ENDERS COFFEEでまず目を引くのは横田典子さんの巨大な作品。一見ブロンズにも見えるモダンな陶器のオブジェが入り口の登場します。壁一面にはつちやみささんの石を使った作品が展示され、カフェの雰囲気と調和しながらも展示空間を完成させてい
ます。
 
豊田東高等学校美術部

緑陰ギャラリーに展示されるのは、神村泰代さん、豊田東高等学校美術部の作品。神村さんは以前からたびたび作品中で、小坂本町にある旧豊田東高校を表現のテーマとして登場させています。今回の作品の中には実際の旧校舎にあった備品なども展示され、作品にリアルさを生んでいます。
またその作品が、現役の豊田東高校生の作品と並んで展示されることで、新しい流れが生まれている様に感じました。
 
中崎透

豊田市美術館の西側の石段を少し登ると、七州城の隅櫓があります。入り口からは美術館のモダンな雰囲気と交わる神秘的な空気を感じました。
櫓の中にあるのは中崎透さんのインスタレーション作品です。虹色の7本の細い糸が、部屋全体に並行に張り巡らされていて、緊張感さえ感じます。櫓の中の神聖な空気感にある細い糸は、メッセージ性の強いもので、見る人間にそのテーマを訴える様でした。

 
この数年で、豊田の街の新しい場所に次々とアートゾーンが増えています。次にここに来たときは、新しい作品が見られるかもしれない、もしかしたらあの場所にもアートが入りこめるかもしれない、街を歩いていて、そんな可能性を感じました。豊田のアートエネルギーからまだまだ目が離せません。
 
とよたまちなか芸術祭
 出展者情報・協力店舗情報はこちら(随時更新中)
 PR動画はこちら
 配信コンテンツはこちら(3月20日のみ視聴可)

とよたまちなか芸術祭-Re: HYBRID BUNKASAI-

日時:2021年2月28日(日)-3月20日(土)
場所:豊田市駅周辺まちなか協力店舗、七州城隅櫓(豊田市美術館)

企画:『とよたまちなか芸術祭~Re:HYBRID BUNKASAI〜』実行委員会
主催:とよた市民アートプロジェクト推進協議会

 
取材:森かん奈(もりかんな)
TAP magazine編集部。豊田市出身。
博物館や古美術商など様々な視点からアートを見てきました。博物館とおでんは似ているような気がします。いろんな人やモノが一緒に存在している空間って面白い、その面白さを伝えるにはどうしたら良いか。日々ゆるゆると考えています。おでんの出汁の様な存在になりたいです。

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