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REPORT | とよたまちなか芸術祭2021でまちなかを回ってみた
とよたまちなか芸術祭

とよたまちなか芸術祭は、豊田市駅周辺のまちなかの店舗や公共施設を会場に、公募による出展者やゲストアーティストが展示を行うまちなか展示や、マルシェ、ライブなどが行われる芸術祭です。
今回2回目となる芸術祭は、2021年の12月4日から12月25日まで開催されました。
今回はまちなか展示のうち、私の気に入ったいくつかの展示会場を中心にレポートします。
 
まちなか展示は、実際に営業している店舗や、画廊などが主な展示会場です。
すべて豊田市駅周辺に位置しているため、徒歩で回ることができます。
豊田市駅周辺は新しいビルが多い印象ですが、少し駅から歩くと意外に昔ながらの商店が並ぶ道があり、どこか知らない街を旅しているようでした。
展示会場の一つ、第一画廊は、今回の会場で一番駅から離れた場所にありますが、豊田のお気に入りの場所のひとつになるほど、行った甲斐があるところでした。
 

 
第一画廊は、住宅街の一角にあり、入口が普通のお宅のようで入るのに勇気がいります。
しかし室内では一変し、高い位置にある窓から自然光が入り、広々とした展示空間でした。
受付やテーブル、飾り棚などが重厚なアンティークなところも、アンティーク好きの私は気に入りました。
一般の住宅を改装したとのことで、リビングのような展示空間はどこかのお宅に遊びにきている気分でした。
ここではちょうど出展作家の紫乃~murasakino~さんと川澄綾子さんが在廊されていました。
作品について直接話をすることができ、すっかり長居してしまいました。
紫乃さんは単行本ぐらいの大きさの板に絵を描いたご自身の作品を、お客さん自身で思い思いの場所に置いて鑑賞する方法を提案しており、私も角度や置き場所にこだわり、写真家の気分で撮影しました。
いつもと違った鑑賞方法が楽しめました。
 

 
川澄さんは、床に置いた作品がより引き立つように、作品の下に和紙を敷く工夫をしていました。
こうやって作品の展示方法ってアップデートされているのか…と展示過程を垣間見ることができてラッキーな気分でした。
ただ単に作品鑑賞だけでなく、人と接して楽しかった印象があると、また行きたくなります。
今度の企画展をチェックしておこう…。(次回は4月10日からの予定だそうです)
 

 
ギャラリーカフェ楽風では、カフェのお客さんがいたので、入っていいのかな…見るだけでもいいのかな…と尻込みしながら入ったのですが、店員さんから「展示はこちらでやっていますよ」と声がかかりました。
なぜまちなか芸術祭の鑑賞だとわかったのかというと、スタンプラリーのためのチラシを手に持っていたからでした。
きっと期間中は芸術祭のスタンプラリーをするためのお客さんも多いのでしょう。
店員さんの心遣いに安心して、じっくり鑑賞をしました。お店の雰囲気も居心地がよさそうです。次はお茶しにいこう…。
 
まちなかで開催される芸術祭は、よく空き店舗を利用して展示をしていることが多いイメージでしたが、とよたまちなか芸術祭では、緑陰ギャラリーなど一部の場所以外は、実際に営業しているカフェや店舗を展示空間として利用していました。
お店の人と交流できるところもまちなか展示の醍醐味だなと思います。
それにメンズファッションのお店は展示会場でないと女性はあまり入る機会がないし、カフェや図書館などは、普段利用しているお客さんが興味をもつきっかけになりそう。
 

HUUKU

 
空き家や空き店舗を使うより、実際の店舗の方がお店の人もお客さんが増える機会になるし、お客さんもいろいろなお店を開拓できるので相乗効果があるのではないでしょうか。
まちなかの芸術祭は、作品だけでなく、どんな場所で、どんな風に展示しているのかという視点で観るのも面白いです。
ただ、実際の店舗の展示は営業しているお店を邪魔しないように、また調和がとれるように、展示する作品を選んだり、位置を考えるところが空き店舗を使うより大変そうに感じます。
そんな芸術祭を作り上げていく裏側にも興味がわきました。次にまちなかで展開される芸術祭に行くときには展示場所も気にしながら見に行こう…。
 
 
今回、特別展示として、産業文化センター敷地内の喜楽亭ではあいちトリエンナーレ2019で展示されたシンガポール出身のアーティスト、ホー・ツーニェンの『旅館アポリア』が再展示されていました。
この展示のみ、豊田市美術館で開催中の同アーティストの『百鬼夜行』と同じく1月23日まで展示しています。
より深く世界観を楽しめますので、これから豊田市美術館へ行こうとしている方は合わせて鑑賞してみてください。

とよたまちなか芸術祭

【会期】
まちなか展示:2021年12月4日(土)-12月25日(土)
パフォーマンス:2021年12月11日(土)・18日(土)・25日(土)
マルシェ/プロジェクションマッピング:2021年12月19日(日)
【会場】
豊田市駅前周辺、豊田市民文化会館、喜楽亭(豊田産業文化センター)、七州城(豊田市美術館)
 
主催:公益財団法人豊田市文化振興財団、豊田市
主管:とよた市民アートプロジェクト
企画:とよたまちなか芸術祭実行委員会
 
とよたまちなか芸術祭
Instagram

 
植村優子(TAP magazine 編集部)
あいちトリエンナーレのボランティア参加をきっかけに、現代アートの沼にはまりました。
あいちだけでは飽き足らず、全国の芸術祭から、海外の芸術祭まで見に行くようになりました。
全国の芸術祭サポーターと交流する「全国芸術祭サポーターズミーティング」に参加し、
アート仲間をますます増やしています。

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