REPORT/COLUMN
REPORT |教室がアート空間に!?3月に杜若高等学校で開催された「aberration」を観 に行きました
森井早紀(TAP magazine 編集部)

3月7日〜11日に杜若高校の校内で開催された展示「aberration(アベレーション)」に行きました。
展示の企画をしたのは、愛知県立芸術大学 彫刻科2年生の阿部多為(たすけ)さん。
阿部さん自身も杜若高校普通科創造コースを卒業しています。
『aberration(アベレーション)』とは
「正道をはずれること 脱線 異常 収差 日常の中にある、非日常
視点を少し変えるだけで、毎日の風景に、違う意味が生まれる。」
コロナ禍により作品発表や美術に触れる機会が少なくなる中、美術をもっと身近に感じて欲しい。
また夢に向かうOBの姿を見て、在校生が今後の未来を考えるきっかけとなって欲しい。
そんな阿部さんの願いが込められています。
出品者は21名。
12名は杜若高校の美術部OB、9名は阿部さんが卒業してからできた繋がりだそうです。
校内はとても静か。窓の外を見ると1、2年生はどうやら授業中。この緊張感、なつかしい・・・
展示は卒業した3年生の教室や渡り廊下で行われていました。

水谷 優芳「みること」
加藤 千奈「子守唄
深谷 花帆「断崖住宅」

こちらの作品は展示のために本を積み重ねた訳ではなく、もともとこうなっていた場所に作品を設置したそうです。
どこまでが作品でどこまでがもともとあった風景なのか、だんだんわからなくなってきます。

阿部 多為「想定されるミクロマクロⅡ」

教室の一面に広がる白の景色。
素材は何だろう?と近くで見ると、特殊な折り方をした白い紙が並べられていました。
窓から差し込む光が紙に反射し、空間を非日常のものにさせます。
自然光で展示しているため、日の傾きにより作品の見え方が変わってくるのも見どころの一つだそうです。

展示台も学校の机や椅子やロッカーを使用しており、作品と空間が馴染んでいるように感じました。

塚本 陽万里「剥離」

卒業式の後に準備をはじめたそうで、教室の黒板はまだ卒業式のまま。
作品を展示することで、止まっていた時が流れていくような不思議な感覚になります。

山本 耀介「come spring」

外に目を向けると、中庭にも作品がありました!
『aberration=脱線』とはこういうことでしょうか・・?!

 

展示を全て見終わった後、阿部さんにお話を伺いました。

「やっと始まった、という感じです。
学校で展示をするということが意味深いと思います。
美術館は展示することが想定されていますが、学校は展示する場所ではなく授業をする場所なので、作品を展示することで違和感が生まれ、面白い空間ができます。
もちろん反省点もあるのですが、それを踏まえてまたやりたいなと思います。
廣藤先生(美術部顧問)が「来年もお願いね」と言ってくれて。
今回も僕が作品展示の場所を探していた時、先生に相談したことで実現できました。
なんでも相談に乗ってくれる先生なのでとてもありがたいです。
今回の展示の中には、コロナ禍によって展示する機会がなくなってしまった作品もあります。
出品したメンバーからは、展示する機会を失わずにここで展示できて良かったと言ってくれました。」

 

取材が終わる頃に次の授業が始まるチャイムが鳴りました。
展示空間を走り抜けていく生徒たちの姿ですら作品の一部のように見えてきました。
今回はコロナ対策のため、鑑賞できる対象者が在校生と保護者のみに限られていました。
今後はぜひ多くの人が足を運んでいただけるようになって欲しいと思います。

 

《出展者一覧》
深谷 花帆   鈴木 めい
大石 匠真   石角 沙弥加
磯村 友里   平井 琴子
中垣 千賀   荒木 姫菜乃
黒木 里帆   阿部 多為
片浦 真希   鈴村 百萌
中原 可南子  水谷 優芳
山本 耀介   塚本 陽万里
中林 ちり   廣島 空衣
大石 采佳   川合 雄大
木原 圭亮

森井早紀(TAP magazine 編集部)

アンダーグランドな音楽と美術と映画をこよなく愛すちょっと変わった人。
橋の下世界音楽祭に衝撃を受け、豊田の街に魅力を感じ始める。
自身も作家活動を行なっており、2020年に豊田市美術館ギャラリーで自ら企画したグループ展『HELL THE TRIP』を開催。
豊田の魅力を発信しながら、何やらおもしろいことを企んでいます。

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