REPORT/COLUMN
REPORT|煌びやかなお雛様たちの素晴らしさをいつまでも…「古橋家本宅新座敷を飾る小川珊鶴雛人形コレクション展」古橋懐古館へ行ってきました!
森かん奈(TAP magazine編集部)

新年度の始まり。
稲武の豪農として大変歴史のある古橋家の本宅新座敷にて4/1~4/3に開催された、「古橋家本宅新座敷を飾る小川珊鶴雛人形コレクション展」へいってきました。
古橋家本宅新座敷は昭和28年に高松宮殿下がご宿泊をされたという格式のある場所です。

新座敷の入り口では華道家でもある小川珊鶴(さんかく)さんが生けられた作品が歓迎してくれました。
珊鶴さんは、様々な場所で作品を発表されていらっしゃいます。
作品はインスタレーションのようなダイナミックさがあり、とても華やかです!

今回の展示では、古橋家に代々伝わる雛人形や珊鶴さんがコレクションしている雛人形の数々をはじめ、貴重な文化財が展示されていました。

こちらが当時、約75年ぶりに「実家に里帰り」したお雛様。
古橋家七代目当主が明治32年に娘の嫁ぎ先で産まれた孫娘のために贈った雛人形です。

伺った当日はコレクションの持ち主である珊鶴さんご本人にお会いすることができました!
制作する職人さんごとに一つ一つのお雛様の特徴があり、顔の表現の違いによって醸し出す雰囲気も全く異なるそうです。
珊鶴さんのコレクションの中には様々な佇まいのお雛様がいらっしゃいました。


こちらの「さるぼぼ」人形のようなお雛様は、生まれた赤ちゃんのそばにあると魔除けの役割があるとされていたそうです。


中には季節行事や、当時の慣しを表現するために、珊鶴さんがご自分で作られた小道具もあり、お雛様とともに展示されていました。
こちらは菊の節句(9月9日)の行事をおこなう女性たち。
当時の女性の十二単や片膝をついた姿勢までもが忠実に再現されています。
手に持っている小道具も珊鶴さんが職人さんにリクエストして作っていただいたものだそう。

お話の中で、時代の流れとともに職人さんがいなくなり、展示されているようなお雛様やお道具をつくる技術が絶えつつあることを教えていただきました。
素晴らしい日本の歴史や文化を後世に残すためにも、今回のようなコレクションが次の世代にも受け継がれていって欲しいと思います。

森かん奈(TAP magazine編集部)

博物館や古美術商など様々な視点からアートを見てきました。博物館とおでんは似ているような気がします。
いろんな人やモノが一緒に存在している空間って面白い、その面白さを伝えるにはどうしたら良いか。
日々ゆるゆると考えています。おでんの出汁の様な存在になりたいです。

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