REPORT/COLUMN
INTERVIEW|紀平佳丈さん「使う人のことを考えて、ぬくもりある木のうつわをつくる」
木工作家・紀平佳丈さん

日常で使う木の器を中心に制作する木工作家の紀平佳丈さん。豊田画廊での個展「木の器展」(2022年9月7日(水)~12日(月))の開催中に、紀平さんの作品を見させていただきながら、話をお伺いしてきました。
 
-紀平さんの木の器はどれもシンプルで、自然な木の質感が感じられます。木の素材や形など、こだわっているのはどこですか。
形は自然のもの、昔ながらのもので、人に使われることを考えながら制作します。材料は自分で調達します。木目などが主張していないのが好きですね。食事など、日常生活で使うものなので、木目を生かしたい、というとき以外は個性的なものは避けます。
 
-日常生活で使う道具ですが、やはり素敵なものだと、購入しても汚れたり、傷ついたりしないように、大事にしまっておきたいと思ってしまいますが…。
ぜひ日常で使ってほしいです。そういった経年変化も楽しんでほしいですね。手で触って、使っていくうちに色が変わっていくのがかっこいいと思います。それを生活の中で味わってもらえたらと。使う人に「この器が合う家を建てたい」と言われるのが夢です。
 

 
-それは素敵な生活ですね。ですが、どのように使えばいいのか、悩んでしまう道具もあります。
例えば、「敷物」はもともと床の間で花瓶の下に置くものですが、ひな祭りの時に、小さなひな人形を置いている人もいます。何でも自分の生活スタイルに合わせて使えばいいと思います。例えば、チョコとコーヒーを置いてみたりするのもいいですね。
 
-絵画などのアート作品よりも、人それぞれで使い方に幅が広がりますね。
インスタグラムも拝見しました。皆さん思い思いの使い方をされているようですね。

実は最近インスタグラムを始めたのですが、ハッシュタグで自分の作品を調べてみると、写真をアップしている皆さんが、自分が思う以上に上手に使ってくれて、「こんな使い方もできるのか」と発見があり面白いですね。
 

 
-大学で彫刻を専攻していたころから木の素材を使っていたのですか。
最初は特にこの素材、というのは考えていませんでした。大学では、4年間でひととおりの素材を扱いました。卒業制作で木を素材に選んで、その流れで木を使うようになりました。その後、家具工房で6年間勤めた後、独立して現在は木の器を制作しています。
 
-独立後は、小原にアトリエを構えていらっしゃいますが、小原を選んだ理由は何でしょうか。
地元が小原だったので、祖父が暮らしていた家の一部にアトリエを構えています。あとは環境ですね。木を扱うときは大きな音を出すので、まわりに住宅があると迷惑になってしまうので。
 

 
-漆芸作家・安藤源一郎さんのインタビューの際、安藤さんと同じ小原地区で制作活動をしている紀平さんが気になっているとおっしゃっていました。小原地区で活動している方は他にもいらっしゃいますが、交流などしている方はいらっしゃるのでしょうか。
他の作家さんとは面識がないです。小原地区にアトリエはありますが、住んでいるところは別にあって、そこから通っているというのもあるかもしれません。ですが、そういった交流の場があればぜひ参加したいと思います。自分と別のジャンルの作家さんは刺激になるので。「木のあらわれ展」に出展した際、アーティストトークで他の作家さんと交流できる機会があったのですが、参加できなかったので、残念に思っていました。
 
-TAPmagazine主催で、小原の作家さん同士での対談ができたら素晴らしいですね。ぜひ企画したいです。
 

木工作家・紀平佳丈さん

豊田のお気に入りの場所
「小原地区」
ちょうどよい田舎感がいいですね。都会も遠すぎず、劇的に田舎というわけでもない。
こういった仕事をしていると、どういう環境か、というのも重要だと思います。
仕事をしていて、休憩するときにふと小原の景色をみると、いいな、と感じます。
 
【次回展覧会】
・蓮依 紀平佳丈展「杜を映す」
神奈川県鎌倉市ノ内1218-2
2022年11月3日〜11月12日
https://gallery-reni.com
 
・yaichi
埼玉県北本市中央2-64
2022年11月19日〜12月4日
http://yabedesign.com/yaichi/about/index.html

 
植村優子(TAP magazine 編集部)
あいちトリエンナーレのボランティア参加をきっかけに、現代アートの沼にはまりました。
あいちだけでは飽き足らず、全国の芸術祭から、海外の芸術祭まで見に行くようになりました。
全国の芸術祭サポーターと交流する「全国芸術祭サポーターズミーティング」に参加し、アート仲間をますます増やしています。

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