REPORT/COLUMN
INTERVIEW|「困りごと」をアートで解決?ネガティブな発想をユニークな作品に。 成田帆花さんへインタビュー
成田帆花

今回のインタビューは、愛知県立芸術大学4年生彫刻科を専攻している成田帆花(ほのか)さんです。
成田さんは、とよたまちなか芸術祭の1回目の開催から、毎年作品を展示しています。
昨年は豊田市近代の産業とくらし発見館(令和5年5月に閉館)で『謝罪エクスプレス』という作品を発表し、そのユニークな作風に驚いた方もいたのではないでしょうか?
そんな成田さんの作品について、お話を伺いたいと思います。

ーよろしくお願いします。成田さんは普段はどのような作品を制作していますか?
彫刻科を専攻していると「彫刻の素材は何を使っているの?」とよく聞かれます。
木、石膏、金属…彫刻の素材は色々ありますが、素材は特に決めていません。
また、彫刻だけではなく平面作品も制作しています。
最近は『自分の困りごとを解決できるような作品』をテーマに制作しています。

ー「困りごと」と言いますと?
私は日々謝ることが多くありまして…。
謝るときというのは、自分が悪い悪くないではなく「その場から消え去りたい」「逃げてしまいたい」という気持ちで謝ります。『謝罪エクスプレス』は、そういう困った気持ちから生み出された作品です。

この作品は簡単に言うと、謝罪会見をするための台です。
謝った後は台の下に隠れることもできます。台の下には穴が開いていて、隠れた後はそこから周りの様子を伺うこともできます。
足下にはタイヤがついていて、土下座の姿勢で隠れるとそのままの姿勢で後ずさりできるようにもなっています。
とよたまちなか芸術祭では、残念ながら実演することが出来なかったのですが、実際使っている様子は動画で公開しています。
動画はコチラから

これは2021年に制作した作品「ペちょ」です。

この作品は2回目のとよたまちなか芸術祭で展示しました。
私は日々頭に残ったものをメモや日記帳に書くようにしているのですが、がっかりしたとか残念だったというネガティブな気持ちを記していることが多くあります。
この「ぺちょ」の下半分のほっぺたが潰れてがっかりした表情は、私の顔のつもりです。
この作品は色々なところに置いたり積み上げたりして展示しました。

ー成田さんは、とよたまちなか芸術祭の1回目から作品を出品されていますね。
はい。高校生の時にとよたまちなか芸術祭のことを知って応募しました。
そこから徐々に豊田での展示に関わっています。豊田市が文化事業に力を入れてくれるおかげで、展示の機会があることがとてもありがたいです。

ー昔から作ることが好きでしたか?
小さい頃から絵を描くのは好きでした。
でもまさか美大へ行くとは自分でも思っていませんでした。
親や学校の先生から「美術科という選択もあるんだぞ」と言われ「行くか…!」と決心して、旭丘高校美術科へ進み、美大へ…。
この経験から「○○だけにする」と自分の行動を限定しないようにしています。
発表も豊田に限らず、どんどん広げていきたいですね。

ー今後、展示の予定はありますか?
自分の手の石膏像を作るワークショップを企画していて、今年の夏にも開催する予定です。
また7月15日(土)16日(日)に長久手市文化の家のイベントがあり、その中で大学とコラボしたART SHOPが開催されるので、そちらに出展します。
詳細はコチラ

自分の制作の根源は「困りごと」。
困ったから作る、困ったから描く。
同じように困っている人の仲間探しができたらと思います。

成田帆花

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豊田市駅近郊です。T- FACEに行ったあと、豊田画廊やArt Bace Coromoなどギャラリー巡り。その後かもめ堂に寄ったり、おやつを買って帰るのが好きです。GAZAビル1階にある「あづまや」さん、美味しいですよ。

取材:森井早紀(TAP magazine 編集部)
アンダーグランドな音楽と美術と映画をこよなく愛すちょっと変わった人。
橋の下世界音楽祭に衝撃を受け、豊田の街に魅力を感じ始める。
自身も作家活動を行なっており、2020年に豊田市美術館ギャラリーで自ら企画したグループ展『HELL THE TRIP』を開催。
豊田の魅力を発信しながら、何やらおもしろいことを企んでいます。

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