REPORT/COLUMN
REPORT | 博物館は「ヴンダーカンマー(驚異の部屋)」!?
取材:Kohomi(TAPmagazine編集部)

未完の始まり:未来のヴンダーカンマー
豊田市美術館が日々の散歩コースのなかにある私にとって、美術館は、特別敷居が高い場所ということもなく、スマホケースに年パス(お得な豊田市美術館年間パスポート)を入れてふらっと立ち寄る、そんな感じの場所。ですが、時折、展覧会タイトルの謎かけのような問いかけに、「?」がたくさん並ぶことがあります。そう、今回の展覧会もまた。
 

豊田市美術館展示風景

 
一期一会のギャラリーツアー
TAPライター仲間のYさんがギャラリーツアーを担当されるということで、この日もふらっと美術館へ。
「未完の始まり:未来のヴンダーカンマー」展が始まってしばらく経っていたけれど、観覧するのは初めてでした。この日初めて豊田市美術館を訪れたというご夫婦と一緒に、2人の作品ガイドボランティアの案内で観覧しました。たくさんある作品の中からガイドの2人が選んだ作品4点を参加者それぞれがじっくり鑑賞。感じたことをシェアしながら巡るツアーはあっという間の1時間でした。
 
普段は一人でふらっと訪れることが多い豊田市美術館で、ギャラリーツアーに参加するのは久しぶりでした。気心知れた友人と感想をシェアしながら巡るのと違って、その日初めて会う人と一期一会のギャラリーツアーは、作品を介してその時間を共有する特別なアート体験だと改めて感じました。展示された個々の作品には作家が意図したテーマや想いがあるけれど、それに囚われず自由に観てよいというのが現代アートの良いところであり、このギャラリーツアーの良いところ。今回はもうすぐ美術館の隣にオープンする豊田市博物館を意識した展覧会ということで、まだ見ぬ博物館の展示を想像しながら、作品を鑑賞する時間となりました。
 
美術館と博物館とミュージアム
美術館と博物館、英語で表すとどちらもmuseum。私は美術館も博物館も好きで色々なところを訪れますが、訪れる場所、展覧会によって展示方法も訪れる人も雰囲気も異なります。それは当然のことでしょうが、そこには個々のミュージアムの設立経緯、活動目的、独自のコレクションが存在するからでしょう。「ヴンダーカンマー」は今日のミュージアムの原型を指す言葉だと今回初めて知りました。2024年4月に豊田市美術館の隣にオープンする豊田市博物館は、いろんな人を巻き込んで「みんなでつくりつづける博物館」であることを一つの大きなコンセプトとしています。私自身も「とよはくパートナー」(豊田市博物館ボランティア)として、小中学校からの団体見学を受け入れるチームに所属してオープン前から活動しています。“ヴンダーカンマー”、博物館の展示室は「驚異の部屋」か「不思議な部屋」か、はたまた「わくわく楽しい部屋」なのか、オープンの日が楽しみです。
 
美術館庭園からつながる博物館。2024年4月26日にいよいよオープン!

取材:Kohomi(TAPmagazine編集部)

豊田市美術館の庭園が好きです。この庭園をデザインしたピーター・ウォーカー氏が博物館の庭園もデザインされているそうで、散歩の楽しみが倍増しますね!

 
豊田市美術館企画展「未完の始まり:未来のヴンダーカンマー」
2024年1月20日[土]‐5月6日[月・祝]10:00-17:30(入場は17:00まで)
 
ギャラリーツアー
平日毎日14:00~、土日11:00~、14:00~(ただし毎月第3土曜午前はお休み)
予約不要。ただし当日の観覧券が必要。

PICK UP
REPORT/COLUMN
REPORT/COLUMN
REPORT | 豊田市の神社を巡るシリーズ#4 野見神社~坂の上の相撲と土師氏の祖~
REPORT | 豊田市の神社を巡るシリーズ#4 野見神社~坂の上の相撲と土師氏の祖~
数年前、陣中町にあった閉鎖前の郷土資料館へ遊びに行ったときのことでした。 尾張地方出身の夫が資料を見ながら、 「へぇ、野見町って『ノミノスクネ』からきているのか」 と、のたまいました。 &nb…
REPORT/COLUMN
REPORT/COLUMN
INTERVIEW | デザイナー・山岸美紗さん
INTERVIEW | デザイナー・山岸美紗さん
今回は浦野友理さんからご紹介いただきました、デザイナーの山岸美紗さんです。 インタビュー当日は「100年後の豊田市に残したいものはなんですか?」をテーマにした『勝手にミュージアム』(2024/5/2…
UP COMING