REPORT/COLUMN
REPORT | 無心になれるおもしろさ 墨絵の世界を体験!
取材:森井早紀(TAP magazine 編集部)

とよたまちさとミライ塾のプログラム「墨絵の世界」に参加しました。
 
「こういう絵が描けたら素敵だな~」という憧れを密かに抱いていたものの、墨絵や日本画の知識はゼロ。
少し緊張しつつも、集合場所のとよしばへ向かいました。
 
講師は田中あつこさん。
田中さんは日本画を主に制作しながら、ライブペイントなど様々な活動を行なっているそうです。
 

 
参加者同士で自己紹介を行い、さっそく体験スタート!
 
まず墨についてのお話です。
 
そもそも墨は植物を燃やした煤(すす)を膠(にかわ。動物の骨や皮などが原料の接着剤)で溶いたもの。
ただ「墨」と言っても色々な種類があり、固形の墨やチューブに入ったねり墨、また最も馴染みのある習字で使う墨汁などがあるそうです。
 
今回使うのは固形の墨。
少量の水を硯(すずり)に入れて、固形の墨を垂直に当てゴリゴリと磨(す)っていきます。
少しずつ墨のいい香りがしてきます。
田中さん曰く、このじっくり墨を磨る時間が『無』になれるんだとか。
 

 
田中さん「長い人だと、はがきに描くくらいの墨の量でも30分磨ってるんですよ~」
さ、30分ですか…!?
 
墨が少しねっとりした質感になってきたらOK!(実はこの感覚がわからず田中さんに何度も確認)
磨ったばかりの墨、それを水で薄めたもの、そしてさらにそれを薄めたものと3つのお皿に分けます。
 

 
お皿に分けたところで、いきなり筆ではなく割り箸やティッシュで描いてみる練習。
割り箸のエッジのきいた線、ティッシュのソフトな表現が筆にはないおもしろさを引き出します。
 

 
そしていよいよ、筆で描く練習です。
筆も持ち方や、墨の含ませ方によって様々な線が描けます。
 

 
筆の感触を探っているうちにどんどん無心に…
 
ここで野菜をモチーフに、教わった技法を用いて墨絵に挑戦!
 
「輪郭を描くというより、筆の表現で遊んで描いていくような描き方をしてみてくださいね〜!」と田中さん。
 

 
墨の濃淡を使い分けて、筆で描いたり、割り箸を使ってみたり。。
 

 
ちょっといいんじゃな~い♪と自画自賛してみたり。
 
そして最後は、和紙のはがきに描きました。
 
半紙とは違い、乾くと半紙よりもはっきりとした濃淡に。
キチッとした紙に緊張してしまい、少し力んでしまいました。さっきまでのびのび描けていたのに不思議…
 
描き終わったら、額を選び完成です!
 
田中さんから「家に飾って『悦』に入ってくださいね!」というアドバイスをいただき、
 
さっそく玄関に飾ってみました!
 

 
和モダンな雰囲気になりとてもいい感じです(悦)
 
なかなか体験することができない墨絵の世界。
初めて挑戦しましたが、墨の濃淡の美しさや線の楽しさを体験する楽しい時間となりました

取材:森井早紀(TAP magazine 編集部)

アンダーグランドな音楽と美術と映画をこよなく愛すちょっと変わった人。橋の下世界音楽祭に衝撃を受け、豊田の街に魅力を感じ始める。自身も作家活動を行なっており、2020年に豊田市美術館ギャラリーで自ら企画したグループ展『HELL THE TRIP』を開催。豊田の魅力を発信しながら、何やらおもしろいことを企んでいます。

 
次回の講座
日時:2021年7月21日(水)10:00-11:30
場所:とよしば(〒471-0027 愛知県 豊田市 喜多町2-166)
参加費:1,500円(材料費別途)
持ち物:汚れても良い服、またはエプロン
お申込み方法:
とよたまちさとミライ塾プラス公式WEBサイト
実施スケジュールから申込ボタンをクリックしてお申込み下さい。
https://www.toyota-miraijuku.com/events/256

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