REPORT/COLUMN
REPORT|お茶と瞑想で自分と向き合う体験を 「アート×リトリート in とよた」
アート×リトリート in とよた

豊田市美術館の敷地内に、童子宛(どうじえん)という茶室があります。
ここでは、椅子に腰かけて抹茶とお菓子をいただくスタイルの立礼席(りゅうれいせき)で気軽にお茶を楽しむことができます。
今回は、その茶室で開催された「とよたデカスプロジェクト2021」の入選プロジェクト、「アート×リトリート in とよた」のメディテーション(瞑想)とお茶の体験の企画に参加してきました。
 
メディテーションの先生は主催者の後藤香さん、お茶の先生は後藤さんの企画主旨に賛同した小山治美先生です。
まず小山先生が茶室でのふるまいや心構えを教えてくださいました。その後、3組に分かれ、離れにある茶室でお茶を体験します。
待っている他の組は、後藤さんによるメディテーションの体験や、小山先生からお茶の魅力についてお話をききます。
 

 
お茶の体験では、一組4名程で、まず茶室の前にある「待合(まちあい)」という茶室の近くにある東屋のような場所で準備ができるのを待ちます。
準備ができたら、蹲(つくばい)で手と口を清めます。
石をくりぬいて水をたたえてあり、柄杓が添えてあります。
神社などでお参りするときにあるものと同じようです。
茶室の小さな入口(「にじり口」と呼ばれています)から入ります。
茶室は招待客4人と招待する側の「亭主(ていしゅ)」が座ったらいっぱいになるほどの小ささです。
お茶の席ではまず、お茶菓子がふるまわれた後、亭主がお茶をふるまってくださいます。
私をはじめ他の方もほぼ初心者で作法がわからなくて緊張していましたが、お茶の暖かさと香りで次第にリラックスしていきました。
 

 
他の組が茶室に行っている間、残った組の人は障子を開け放して庭園を向きながら、瞑想をします。
お座敷から見える日本庭園は、庭師の方が丁寧に手入れをしてくださっており、それだけでもぼーっと見ていたら癒されます。
日本庭園の方を向いて座り、後藤さんのガイドに従って、体の部位ひとつひとつ、内臓まで意識をしながら息をします。
庭園の美しさもあいまって、心が研ぎ澄まされる体験ができました。
 

 
主催者の後藤さんは、「豊田市にこんな素敵な茶室があることが知られていないのがもったいないと思い、ぜひ知ってほしい」と企画をされたそうです。
お茶のお店で紹介してもらった小山先生が後藤さんの考えに賛同し、お茶の指南役を引き受けてくださいました。
小山先生の語るお茶の魅力はどれも興味深く、話がつきないくらい話の引き出しが多い方でした。
豊田は抹茶も生産されていて、こんなすばらしい茶室もあるので、ぜひお茶の楽しさを知ってほしいと語ってくださいました。
お茶のおもしろさは、「知ることの喜び」や「五感で楽しむ」こと。
お茶をやっていると、抹茶や和菓子、着物、茶道具、床の間で飾られるお花、花瓶、掛け軸、建物まで、お茶を媒介として広がっていくものが多くあるとのことです。
お茶の世界というのは奥が深いだけでなく間口も広いのですね。
 

 
「アート×リトリート in とよた」では、この他にもヨガとアンデスのフォルクローレ(民族音楽)の企画をしたそうです。
どれも全然ジャンルが違うのでは…と思いましたが、「忙しい中、ちょっと心を静めて、自分と向き合う時間をつくることで生活が豊かになる、自然な何気ないことでも美しさを感じるようになればいい、ジャンルはどれでもいいから、そうなってほしい。その人にあったものでいい」と後藤さんは語ってくださいました。
また、もともと音楽やヨガもご自身でやっておられるそうです。確かにヨガも音楽もお茶も、心が豊かになるなあと思います。
 
この体験を後日思い出すと、お茶を飲んだ時や、瞑想で体験したときと同じようにリラックスできるようになった気がします。
忙しくていつもはショートカットしていた部分をちゃんと道筋をたどっていくように、心をリフレッシュする方法を覚えられた気がします。私もお茶やヨガを始めてみようかしら…

アート×リトリート in とよた

日時:2021年11月7日(日)10:00-12:00
場所:豊田市美術館敷地内 童子苑(豊田市小坂本町8丁目5番地1)
主催:後藤香
アート×リトリート in とよた
とよたデカスプロジェクト
 
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植村優子(TAP magazine編集部)
あいちトリエンナーレのボランティア参加をきっかけに、現代アートの沼にはまりました。
あいちだけでは飽き足らず、全国の芸術祭から、海外の芸術祭まで見に行くようになりました。
全国の芸術祭サポーターと交流する「全国芸術祭サポーターズミーティング」に参加し、
アート仲間をますます増やしています。

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