REPORT/COLUMN
INTERVIEW|五感を使って楽しんでほしい。「GONZORE TRAIL」、精油ブランド「Sunlit Earth」で御内 の魅力を発信!デザイナーの藤澤あやさんへインタビュー
デザイナー・藤澤あやさん

今回のインタビューは声楽家の竹内支保子さんからご紹介いただき、
豊田市御内(みうち)町に住むデザイナーの藤澤あやさんにインタビューしました。
豊田の中心街から御内町まで車で約1時間。
御内町は本郷(ほんごう)・田ノ士里(たのしり)・金蔵連(ごんぞれ)と3つの集落があります。
町全体の住民は約45名。
成人していない子どもがいる世帯は地域で1世帯のみだそうです。
あやさんは結婚を機に、岐阜県高山市から夫の実家である金蔵連に移り住む事になりました。
初めて訪れた時から、この土地が好きだったと話すあやさんは、「GONZORE TRAIL(ゴンゾレ トレイル)」というプロジェクトを企画し、御内という地域の空気感を感じながら交流できる場を作るべく約1町歩(=約1ヘクタール)の敷地を整備し、御内の山道を歩こう・森の坐禅会・「森で」シリーズのワークショップなど、体感することをベースにしたイベントを敷地(=フィールド)で開催しています。
また「Sunlit Earth(サンリット アース) 」というオリジナル精油ブランドを立ち上げ、地域の特色のある樹木から、天然成分100%の精油と芳香蒸留水を作っています。
商品のデザイン、枝葉の採取、蒸留からラッピングまで、全ての工程をあやさん自身で行なっているそうです。
神秘的な空気を感じる森の中で、御内での活動と魅力について話を伺いました。

 

ー『GONZORE TRAIL』を始めたのはいつ頃からですか?
始めたのは2020年。今は2年半ほど経ちましたね。
もともとこの場所はスズタケと言われるササの一種が生い茂り、一歩も歩けないような状態でした。
コロナ禍にさしかかる中、家族みんなで少しずつコツコツと整備を進めてきました。

整備前のフィールド

大好きな地域ですが、子どもが少なく、地域存続の問題は切実で、何かしなければと思っていました。
この土地の魅力は、実際に山に入って体感してみることで深く伝わると思っています。
山の楽しみ方も一つだけではなく、色んな楽しみ方があります。
地域の方々と、参加される皆さんと、楽しい時間を様々に共有し、この御内を体感する場を作りたいという想いで『GONZORE TRAIL』を始めました。

 

インタビューを行う前の週に「森の坐禅会」が行われていたそうです。ここで坐禅…本当に気持ちよさそう!
フィールドの横には清流が流れ、川遊びも楽しめます。

 

ーでは、精油を作ろうと思ったきっかけは?
この土地に初めて降り立った時に感じた、どこか神聖で清らかな空気感は、自分にとっては衝撃的でした。
そして、この地域に住んで10年、毎日それをこの土地全体から感じ続け、どんな時も支えられてきたなと思っていて、その空気感やエネルギーと、この地に共に生きる植物たちのエネルギーをギュッと凝縮したエッセンスが作りたいと思ったんです。
きっと、私だけではなく、求める人にも響くのではないかと思って。
自分が何か辛いなと感じたりする時期に、自分を支えるツールはいくつか持っていると良いなと思っていて、その一つが「香り」だったことも一つですね。
それが自分が生きているこの地のものだったらすごいなと。
日本の山の植物が、日本人の心身にしっくり深く響くのではと思います。

 

ー精油はどのような種類がありますか?
現在、芳香蒸留水は5種類、精油は4種類。
全て御内に生育する植物で作っています。

 

【芳香蒸留水(スプレーボトル):左から ヒノキ、スギ、クロモジ、カナクギノキ、タムシバ】【精油(3mlボトル):左から ヒノキ、スギ、クロモジ、タムシバ】

 

どの木でも同じ精油成分が採れるかというと、そうではありません。
同じ樹種でも、育つ土地の風土や、生育している場所や個体によっても、少しずつ成分の割合が変わり、香りにも変化があります。
御内町は、広大な地域の中にかなりの標高差があり、私たちの住む集落周辺は、標高600m前後で、冷温帯と暖温帯が入り混じる植生豊かな土地です。
この地で育った植物の香りとエネルギーを感じて楽しんでいただければと思います。

 

ー精油のラベルやパッケージのデザインも幻想的で素敵ですね!
昔から絵を描くのが好きで、デザインの仕事も20年近くやっています。
ラベルの「Sunlit Earth」のロゴと名前は、陽の光が射す大地と、大地から立ち昇る蒸気や植物の放つエネルギーをイメージしています。
ロゴやラベル、全てにおいて、この地で日々感じている空気感を具現化するという、自分の中の挑戦でもありました。
それぞれの樹木の葉を描き、メインで使っている写真は、この地に陽が差し、蒸気が立ち昇るもの。
自宅前で撮ったものです。

 

「Sunlit Earth」のパンフレット

 

ラッピングもなるべく環境に負荷をかけないように、プラスチック素材は一切使っていません。
蒸留後の樹木のチップは、フィールドに撒いて土を作り、地域資源を循環するようにしています。

 

ここに来て10年。
この地に住んで時が経ち、まだまだ課題はありますが、愛するこの地と深く調和しながら生み出せるものに目を向け、これからも楽しんで暮らしていきたいです。
そして、関わってくださる人たちと一緒に、皆んなで創り出していけるものがある!と思っています。

ー貴重なお話ありがとうございました。

あやさんの作る精油の香りを嗅がせていただき、取材スタッフ一同リラックスしてしまいました。
(個人的にはタムシバの香りが好きでした。)
あやさんの精油と芳香蒸留水は、足助のマンリン書店で購入ができるそうです。
今後も楽しい企画を考えていますと、目を輝かせるあやさん。
「GONZORE TRAIL」や、精油ブランド「Sunlit Earth」に関する情報は下記のリンクからご覧いただけます。
是非チェックしてみてください!

GONZORE TRAIL
Sunlit Earth

デザイナー・藤澤あやさん

豊田のお気に入りの場所
「御内町」
もちろんフィールドも大好きですが、御内の地域全体が大好きです

取材:森井早紀(TAP magazine 編集部)
アンダーグランドな音楽と美術と映画をこよなく愛すちょっと変わった人。
橋の下世界音楽祭に衝撃を受け、豊田の街に魅力を感じ始める。
自身も作家活動を行なっており、2020年に豊田市美術館ギャラリーで自ら企画したグループ展『HELL THE TRIP』を開催。
豊田の魅力を発信しながら、何やらおもしろいことを企んでいます。

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