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COLUMN | 「私のアートの見方」 第4回・友達以上恋人未満の関係でもいいじゃない
安井友美(TAP magazine 編集部)

TAP magazine編集部は、このウェブサイトを運営するにあたり「なんかちょっとは興味あるんだけど」「機会があれば見に行きたいんだけど」という人に、その一歩を踏み出すきっかけになるような記事をお届けしたい、と常々考えています。
その一つがこの『私のアートの見方』の連載です。
「アートってどうやって見ればいいかわからない」という人に、「たとえば私はこういうふうに見ています」とお伝えすることで、「あ、そんな感じでいいんなら、私も見てみようかな」なんて思ってもらえるといいなと思い、始めました。
私で4人目ですので、他の人の「見方」もぜひ読んでみてください。
 
第1回・アートボランティアのアートの見方
第2回・アートを見る時は野生に帰る
第3回・「むずかしい」は「おもしろい」のはじまり
 
ということで、
私はどんなポイントで見ているんだろう?そもそもなんで見に行っているんだろう?
と考えたことを書いてみようと思います。
 
 
「休日は展覧会や公演を見に行って過ごしています」と言うと、「好きなんだね~」と言われます。
でも、なぜかいつも「そうなんです!大好きなんです!」と気持ちよく返事ができない。
時間やお金を割いて見に行っているわけだから嫌いではないはずなんですが、「好き」という言葉になんだか違和感を覚えてしまいます。
じゃあ、なんで見に行ってるんだろう?と考えると、「ワクワクしたいから」という、なんとも幼稚な答えが出てきました。
 
「なんじゃこりゃ?」と首をかしげる作品は多々あります。
でも、そのような見たこともないアート作品に出会ったり、公演を見たことで感じたことのない感情になったり、そんな未知な体験ができるかもしれないところにワクワクしているのだと思います。
 
もちろん、「なんじゃこりゃ?」の驚きや発見によって面白いや楽しいなどポジティブな感情ばかりになるとは限りません。
価値観の違いに困惑したり、自分の知らなかった事実を知って怖くなったりもします。
それに、よく「見てもわからない」と言う人がいますが、それは私も同じで。
私もわからない、だけどなぜだかそれでも見たい。
なぜ困ったのか、なぜ怖かったのか、なぜわからないのか、ひとつとは限らない答えをもやもやと考え続けること。
これも私にとってはワクワクです。(と言葉にしてみるとちょっと変な趣味に聞こえますが笑)
 
しかし、そうは言っても「何がなんでも見に行く!」という根性が私にはありません。
「今日は展覧会に行こうと思っていたけど、なんかだるいからや~めた」ということはよくあります(笑)
そうやって見逃してしまったものも数えきれないほど。
だから、そこまで好きじゃないかもしれない…とも思いますが、でも見ないなら見ないで何か落ち着かない!
あまりに何も鑑賞していないと鬱屈とした気分になって、次の瞬間には「あー、何を見に行こうかなー」なんて予定を立て始めています。
 
私は「何にワクワクしているんだろう」とか「いや、好きとかそういうんじゃないんだけど」などと思って見ていること自体を楽しんでいるのかもしれません。
そういう他人には説明しにくい距離感、他人からはすごく好きなんだと思われているのかもしれないけど友達以上恋人未満のような曖昧な関係を楽しみながら、私はアートと付き合っているんだと思います。
きっと、そのアートとの距離感は人それぞれ違っていて、何が良いとか悪いとかなく、自分の心地よい鑑賞ペース、見に行くきっかけとなる鑑賞ポイント(ワクワクするとか癒されるとか)がみつかると良いお付き合いができるのではないかと思いました。
 
気になっているあなたは、まずお友達になることから始めてみませんか?

安井友美(TAP magazine 編集部)

やすい ともみ
高校時代、演劇部に入ったことをきっかけに舞台芸術や現代アートに興味をもつ。ぽちぽちと鑑賞活動をしていたら、いつのまにか働く側に。いつまでたってもなぜだか新人。演劇、ダンス、現代アート、音楽、お祭り、伝統芸能などなど、ワクワクの海は広大。

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